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大橋巨泉『ゲバゲバ人生』とわが『一片万情』

今年、鬼籍に入られた方々の中で、早稲田の匂いのする偉才が前後してこの世を去ったことを、私は重く受け止めた。永六輔、昭和8年、東京・浅草生まれ。大橋巨泉、昭和9年、東京・両国まれ。ちなみに、私は昭和10年、東京・蒲田の生まれ。

永さんは早稲田文学部で民俗学者宮本常一の影響を受けたという。戦後の物のない時代に永さんは鉱石ラジオを組立て、ラジオ局への投稿少年からやがて放送の世界に入っていく。今年7月7日、82歳で亡くなるまで放送メディアの中で生きぬいての「大往生」だった。その5日後、大橋巨泉さんは永さんを追うかのように鬼籍に入った。大橋さんは早稲田政経の新聞学科で学んだが、在学中にジャズや俳句の世界に没入し、ジャーナリスト志望のはずがいつしか放送タレントから芸能人の道を歩みはじめる。その八面六臂の活躍はよく知られている。

永さんには『僕は寺の子、坊主の子』という自叙伝的な著書がある。永さんは、元浅草の最尊寺の住職永忠順の息子として生まれた。永さんの人生の出発点には「なむあみだぶつ」のの世界観があり、ラジオパーソナリティとしてだけではなく、文化人としての多彩な活躍と随所での発言には、今日の日本とその未来を憂うる永さんらしい日本精神が煌めいていたように思う。

永さんには『昭和~僕の芸能私史~』というこれも自伝的著書があり、ラジオパーソナリティとしての永さんの仕事歴がよくわかる。永さんや巨泉さんが活躍し始めたころは、日本の民間放送黎明期で、昭和33年にラジオ関東(現在のラジオ日本)が開局した時期に、前田武彦(昭和4年、東京生まれ、立教大学)、永六輔、大橋巨泉らが順送りで番組作りに関わっていた。やがてTBSラジオの「パックイン・ミュージック」のパーソナリティを務め永さんは「日本国憲法全文朗読」という快挙をやってのけたこともあった。そういういきさつが私史として書いてある。

大橋巨泉さんは『ゲバゲバ人生―わが黄金の瞬間』という長編を書いている。「好きなように生きた人生」の記録だ。帯に「豪快自伝」とあるが、まさに「敗戦の記憶」から始まり、青春の彷徨を経て、パートナーと出会いと別れ、放送作家の道を歩む中での人生の「一期一会」を軸に、仕事歴、人間模様が克明に描かれている。「『お迎え』はいつだか知らないが、来るまでは寿々子と二両連結で明るく、楽しく生きていきたい」という、結びまで縦横に明るく書いてあり読みごたえはある。

巨泉さんが俳人であることは承知していたが、この自伝の中で早稲田での俳句入門の経緯を書いている。母を送る句がよかった。
「菊匂えど母の遠さかな」「心あてに母の名呼ぶや霜の声」
母の死とその前後の描写は、大橋さんの亡き母への追慕が率直に書いてあり胸を打つ。

私はいま、わが自分史『一片万情―闘う編集者人生』(河出書房刊)の最終校正を進めている最中だ。12月中には上梓する運びである。1年前の11月14日の誕生日に、自分史仲間の皆さんが私の傘寿の祝いの会を開いてくれた。私が代表を務める自分史活用推進協議会のメンバーが思い思いの形で祝意を表してくれたが、高橋厚人(ジュディプレス社長)さんが、私のために写真と音楽で構成された「映像自分史」を制作、会場で上映された。私と妻は感激で胸がいっぱいになった。そしてこの時から、私の自分史作りが始まった。

まわりの皆さんの献身的な協力と温かい励ましをいただき、私の自分史は間もなく完成する。巨泉さんの「豪快自伝」と並べるつもりは毛頭ないが、巨泉さんが「好きなように生きてきた」というなら、私には、「好きなように闘ってきた」思いはある。『ゲバゲバ人生』ほど、他人が読んで面白いはずはないが、『一片万情』の四文字は胸張って言いたい気分ではある。
.24 2016 未分類 comment0 trackback(-)

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マエダヨシヒロ

Author:マエダヨシヒロ
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昭和10年、東京生まれ。早稲田大学文学部(国文科)にて学び、電気業界新聞記者を経て、昭和36年に編集会社を設立して以来、企業広報分野の編集者、編集プロデューサーとして、パブリシティ、企業出版、広報イベント等に従事。この間、産業界各分野の企業社史、経営者自伝、自分史などを多数手がけてきた。 2009年、「自分史研究会」を設立、「マッピング自分史」を提唱。現在、東京都港区生涯学習講座「まなび屋」自分史講座講師、文京区文京アカデミー自分史講座講師、神奈川県生涯学習「プラネット」登録講師等。 自分史:『わがソフトウェア人生』(丸森賢吾自分史)、『空翔るM&A経営』(北川淳治自分史)ほか。 社史:『さらにすばらしいステージへ』、『コンピュートピアにかける橋』、『峠超えの道』など多数。

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